「風の中で」
363x252
2001年1月製作

やはり、とても地味で未熟な作品ですがこの作品は、私にとって大きな意味がありました
「かんにんな」に続く2作目で、月例入選を果たし次の21回選考会に選ばれ
「こんな私にも席は用意された」という大きな自信を掴むことが出来ました。



この作品の題名は、詩人ひらかわ美秋さんの作品「風の中で」による題名を引用しています
この絵のイメージとなった「風の中で」の詩を掲載させて頂きましたので、是非お読みください。
ひとのあっけなさ、諦める老いの辛さの悲しい詩です。 



























風の中で   詩 ひらかわ美秋



かあこ姉ちゃんが

タオルばかぶって

うしろ向きで一生懸命

畑の草取りしよったら

「ひらかわさーん 帰って来たとねー」って

近所の人が声ばかけらしたとって

かあちゃんが元気になって

老人ホームから帰ってきたって

思わしたとって

その話ば聞いてうちは涙の出たとよ

風の中に立って

どがん目凝らしても

もう昔は帰って来ん

誰も昔には帰られん

寝たきりのかあちゃんが

もうこの家に戻ることもなか

コスモスのそばで何べんも涙ば拭いたとよ



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