「手折った花を」
260x370
2008年 5月製作



やなせたかし記念館特別企画「詩とメルヘン・花展」に参加した絵です。
終了後、記念館に寄贈されました。

詩に添えられた絵として描きましたが、そのときの詩があまりに清らかだったので
ずい分悩み、つい力が入ってしまい、欲張った絵になってしまったと後悔・後悔です。
人物を大きく描いたのは初めてでしたが、これも表現をずい分欲張ってしまいました。
記念館から持ち帰りたい思いでしたが・・・これからの教訓にしたいです。

詩人森由右子さんのすばらしい詩を掲載させて頂きました。一緒にご覧下さい。





















手折った花を  詩 森由右子




僕の横を走って通り過ぎる少年

ふと

立ち止まり

君は道端の花を手折った。

花いちりん


君はそれを握り締め

スキップするような足取りで

走っていく。


あっという間に

小さくなる背中


手折った花を

君は誰にあげるのだろう。


君のお母さん

待ち合わせをしている女の子の友達


名前も知らない

小さな花だけど

きっと

誰かに幸せを運ぶんだと。

僕は

そっと切り取られた後の

茎をなでてみる。



戻る  次へ



無断転載二次加工厳禁